要約
K様は、2016年にパーキンソン病を発症し、2023年に新たに首下がり症状が出現しました。この症状は食事に特に大きな支障をきたし、生活全般に困難をもたらしました。
2024年1月から当店の首下がり対応装具(コレクトウェルプラス)を使い始め、これにより食事が楽になりました。この夏末頃(2024年夏)から首下がり症状が大幅に改善し、首下がり症状が発症してからの日常の困難や苦しさがほぼ解消されています。
その経過についてK様のお話を中心にお伝えします。
治療介入の経緯
K様は、2016年にパーキンソン病を発症しました。当座は薬物での治療がメインで、病気は薬で治すものとご本人も思っておられました。最初にかかったドクターに「パーキンソン病では、リハビリテーションが非常に重要です」と言われ、2018年から訪問リハビリを利用し始め、それは今日まで継続しておられます。
ところが2023年の夏ごろから、新たに首下がり症状が出現し、アゴが胸に着くほど首が下がる状態となりました。この症状により、食べ物をこぼす、呼吸がしにくいなど、生活に不便な症状がいろいろと出現し、K様は生活全般に大きな困難を感じるようになりました。
この間、首の周りに付けるさまざまな装具を試しましたが、首下がりの改善には至りませんでした。
都の難病支援センターに相談した時の支援員A氏(ALS協会東京支部の方)に、当店の首下がり対応装具コレクトウェルプラス(以下、装具と略します)を紹介されました。
首下がりで発生した困難:K様のお話
上田:今、毎日装具を使用されていますか?
K様:今は使わなくても、大分平気になってきたんですよ。
上田:首下がりが出現して苦しかった期間は、どのくらいでしたか?
K様:昨年の夏くらいから(2023年夏)ですね。首下がりは、周りの同じ病気の方にもおられなくて、見たことが有りませんでした。なんで私だけこんな風に、と思いました。
上田:首下がりの程度は、どれくらいだったのですか?
K様:もう、アゴが胸に着くくらい下がっちゃって、呼吸するのも苦しいし、下を向いているので汗をかくと下にこぼれ落ちるし、不便なことが色々ありました。食事の時は、すごく首が下がっていて口を開けないので、食べ物が口の中に入らない、やっと入った食べ物もこぼれてしまうと、かなり不便でした。
装具とリハビリテーションの併用を開始
上田:日常ではどんな時に装具を使われましたか。
K様:とにかく一番不便だったのは、食事の時でしたから、食事の時に装具を使いました。確かに、装具を着けると、着けてるだけでも差を感じました。装具でどうにかアゴを上げて食事をする時期がしばらく続きました。でも、使いながら、だんだん首が動きやすくなってきた、とか、いくらか上がる角度が違ってきた、と感じられることが有り、良い方向に向かっていると実感できました。
上田:今も週に3回、療法士さんのリハビリを受けておられるんですね?
K様:リハビリも色々なことをやってもらって、いろんな効果があったんでしょうね、だんだん頭を動かしやすくなってきたんです。
上田:最近の首下がりの状態をお聞かせください。
K様:以前は、首の後ろの辺がパンパンに、コンクリートが固まっているんじゃないかと思うくらいカチンカチンになってたんです。それが、だんだんほぐれてきて、首を動かしやすくなって、起こしやすくなったんです。そうすると首を動かす回数も増えました。こういう思いでいるうちに首が上がりやすくなりました。
上田:今の首の動きはいかがですか?
K様:ここのところ、首が軽くなってきた感じを受けます。いくらか涼しくなってきたら、首が軽くなっていて、ここ1週間くらいは、たまに装具を着け忘れても平気になりました。装具を使い始めたのは今年の1月からですから、これまでだいたい6ヶ月ですね。
上田:そうなんですか。それは良かったですね。
K様:お電話を受ける(上田の電話)前にお昼を食べたのですが、もう装具をしなくても食べられるんです。
上田:素晴らしいですね。訪問医療の担当の方は何か言われましたか?
K様:この装具を使うと良いと思うので、使い続けてください、と勧められました。最初にA氏に装具を勧められたときは、必死というか、私は自分の状況を何とかしたいという思いがあったと思います。
上田: K様のお話をHPでご紹介させていただけますか。
K様:はい、構いませんよ。沢山の方が利用されたら良いと思います。
上田:どうもありがとうございました。
症状の経過と改善:現在のK様
装具とリハビリテーションの併用治療によってK様の首下がり症状は、2024年秋ごろまでに大幅に改善しました。直近では、装具を使用せずに食事をすることができるほど症状が改善され、首の筋肉が柔らかくなり、動かしやすくなっていると感じられているとの事です。
現在もK様はリハビリテーションを継続していますが、首下がりの症状はほぼ解消され、日常生活において装具はほとんど不要となっています。装具無しでも食事が可能となり、以前のような不便さを感じることはありません。
監修:上田恵介(医師)
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