開発者 上田恵介(うえだけいすけ)
経歴
東京大学医学部を卒業。以後35年間にわたり心臓血管外科医として臨床に従事し、数多くの心臓手術を手がけました。大学病院を退職後は、心臓外科医としての診療を続けながら、心臓リハビリテーションにも携わるようになり、現在は総合診療医としてリハビリテーション全般に従事しています。
保有資格
・医師
・心臓リハビリテーション指導士
・心臓血管外科名誉専門医
リハビリテーションへの関与のきっかけ
心臓手術を成功させたにもかかわらず、患者様が自宅に戻ってから元の生活に復帰できずに苦しむ姿を見て、術後のケアの大切さを痛感していました。ある患者様が自ら命を絶たれたことをきっかけに、私は「手術だけでは患者様を完全に救うことができない」と感じ、心臓リハビリテーションの分野に飛び込みました。リハビリテーション病院での院長職を通じて、心臓リハビリを超えてリハビリテーション全般に対する理解を深めました。
装具開発のきっかけ
装具開発の着想は、私自身の経験から生まれました。年齢とともに筋肉が衰え、特に就寝中に下顎が下がり、舌根が沈下していびきを引き起こすことを知ったのです。家族にいびきを指摘された私は、改善のために自ら装具の開発に挑戦しました。こうして生まれたのが「スレプトウェル」で、この装具は見事にいびきを防止しました。妻がいびきの聞こえなくなったことに驚き、私が寝ているか確認に来たほどです。
さらに、勤務先のスタッフに試してもらったところ、装具を逆向きに装着した際に頭部の安定が確認され、これが「コレクトウェル」の誕生の瞬間でした。この装具は誤嚥を防ぐためのポジショニングにも非常に有効であり、多くの患者様に対して高い効果が得られました。装具がリハビリテーションにおいて大きな役割を果たすことを実感し、スタッフとともに喜び合ったことも何度もありました。
開発と今後の展望
「コレクトウェル」は誤嚥や首下がりを防ぐ頭頚部ポジショニング装具として、医療や介護の現場で広く活用され、多くの患者様の生活の質(QOL)向上に貢献しています。私はこれまでに装具開発の基礎を築いてきましたが、今後はこれらの技術を次世代に託し、引き続き医療とリハビリテーションの分野での新たな挑戦を続けてまいります。
代表 上田照子(うえだてるこ)
経歴
私立医科大学基礎医学系研究科博士課程を修了後、メリーランド州立大学医学部で博士研究員として生化学を研究。帰国後は医学部で研究職に従事し、その後バイオベンチャー企業で知的財産の担当を務めました。このような経験を通じて、医学的知識と技術に裏打ちされた商品開発の視点を培いました。
起業のきっかけ
研究職やバイオベンチャーでの経験を積む中で、「社会にどのように貢献できるか?」と自問し続けました。ある日、パートナーが開発したポジショニング装具「コレクトウェル」と出会い、これを必要とする人々に届けたいという強い思いが芽生えました。2016年に起業し、医療現場や利用者の声を反映しながら「コレクトウェルプラス」などを開発。製品は誤嚥、首下がりやいびき防止に役立つ装具として、患者様の生活の質(QOL)向上に貢献しています。
保有資格
医学博士
事業の展望
現在、誤嚥防止装具「コレクトウェル」、首下がり軽減装具「コレクトウェルプラス」や子ども向けの「コレクトウェルジュニア」を提供しています。医療従事者や利用者の声を大切にしながら、製品の改良と新製品の開発に努め、より多くの方々の健康と生活の質向上に貢献していきたいと考えています。