結論
常時ネックカラーを使用して摂食していましたが、呑み込みにくさがありました。コレクトウェルを導入することで、呑み込みにくが解消し、快適な食事が行えるようになりました。
背景
ご利用者様は、アテトーゼ(自分の意思に関わりなく、体がゆっくりとねじれるように動く「不随意運動」の一種)型脳性麻痺の方で、その二次障害から頚椎が変形し、嚥下に支障をきたしていました。
利用者様は頚椎症を患っておられました。しかし、頸部に軽度の側屈があるものの、胸腰椎に変形はありませんでした。そのため、頚椎症による諸症状を抑えるために、ネックカラーを常時ご利用でした。しかし、ネックカラーを使用して頭部の全面支持をしたため、呑み込みがしにくくなっていました。担当のセラピスト様は、カラーによる全面支持で咽頭付近の動きが阻害され、呑み込みにくさが生じたのではないかと推測されました。
コレクトウェルは、スケルトン構造をしており、喉元周りには構造物が無く、空間となっています。アゴ下部分はR型をしているため、多少の弾力性があります。そのため、担当セラピスト様はコレクトウェルやコレクトウェルプラスを装着しても、咽頭付近の動きは、全く妨げられることが無く、嚥下がスムーズにできるようになるのでは、と考えられたのです。
使用状況
・それまでネックカラーをお使いのため、首周りに装具を装着することに対する違和感がありませんでした。そのため、ご利用者様は、すぐにコレクトウェルになじみ、それまで感じていた食事時の圧迫感が解消し、アゴ引き嚥下姿勢を保ったまま快適に食事が摂取できるようになりました。
・装着後の変化
使用時間が長くなると、S字カーブを形成している装具のあご下の部分後方が、重みでつぶれてしまう問題が生じました。弊店がいくつかの対応方法を提案いたしましたが、担当セラピストの方は、潰れる後方部分に固めのスポンジをかませることで課題をクリアされました。
お試し使用終了後のセラピストの感想
ご利用者様には少々の側屈傾向があるため、最初はコレクトウェルプラスの方が良いかと思っておりました。
しかし、コレクトウェルプラスは強度が強いためでしょうか、装着具合によっては飲み込みにくさが出ていたので、コレクトウェル使用でスポンジをかませたポジショニングでの対応にしております。
弊店の感想
利用者様はかなり大柄(体重81㎏、身長158-9cm)な方。首回りが46cmで、肩回りも厚みがあるため、弊店は一回り大きく調整した装具が適当と判断し、特別仕様装具を作製しました。
大柄な方であったため、担当セラピスト様と同様に、コレクトウェルプラスの適用と考えておりました。しかし、嚥下にはコレクトウェルの方が適当であったため、スポンジでつぶれを解消・補強しての利用となりました。
有用性が得られたポイントは、頸部に軽度の側屈のみで、胸腰椎に変形が無く、体幹が保持されていたためと考えます。



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